半田隆均取得の特許の事業化推進③ポイント集計システム（ベルマーク･ポイント問題支援）

【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、添付図面を参照して、本発明の実施形態について詳細に説明する。
図1は、本発明の実施形態に係る商品ポイント集計システム1の全体構成図である。同図に示すように、商品ポイント集計システム1は、レシート発行装置10と、携帯情報端末20と、ポイント集計装置30と、を含んで構成されており、これらの装置はインターネットや無線通信網等の通信ネットワーク40で接続されている。なお、同図では、1つのポイント集計装置30のみを表示しているが、実際には複数存在する。

【0015】
レシート発行装置10は、例えばPOS(Point Of Sales)端末である。
レシート発行装置10は、ハードウェアとして、CPUと、RAM、ROM、ハードディスク等の記憶装置と、通信インターフェースと、テンキー・ディスプレイ等の入出力インターフェースと、印刷装置と、内部時計と、を備えている。記憶装置には、各種データ、プログラム等のソフトウェアが記憶されている。

【0016】
例えば、レシート発行装置10のハードディスクには、店舗で販売している各商品に付与されるポイント、各商品の販売価格、レシートの上部に印刷する店舗名や電話番号等の店舗情報等のデータが記憶されている。また、ハードディスクには、ユーザが購入した複数の商品価格を合計するためのプログラム、符号化コードを生成したり読み取ったりするためのプログラム、商品の販売時に印刷すべき情報を編集してレシートに印刷するためのプログラム等が記憶されている。
レシート発行装置10のCPUが記憶装置に記憶されているこれらのプログラムを読み出し、当該プログラムに従って処理を実行することにより、図2に示すレシート発行部11がレシート発行装置10に実現される。

【0017】
レシート発行部11は、商品の販売時に、レシートに一般的に印刷される情報であるレシート印刷情報に加えて、当該レシート印刷情報と当該商品に関する固有の情報と当該商品に付与されるポイントとを符号化した符号化コードを印刷したレシートを発行する。

【0018】
「符号化コード」としては、例えば2次元符号化コードとしてQRコード(登録商標)が存在するが、SPコード、CPコード、バーコード、電子透かし等であってもよい。
「レシート印刷情報」としては、可変情報として、販売した商品の商品コード、商品名、販売数量、商品の販売価格(単価)、合計金額、販売日時等が存在し、不変情報として、商品を販売した店舗の名称、電話番号、住所等が存在する。販売日時は内部時計から取得される。それ以外の上記レシート印刷情報は、本実施形態ではレシート発行装置10のハードディスクに記憶されているとして説明するが、これに限定されることはなく、例えば、通信ネットワーク40上の別の通信装置に記憶されていてもよい。
「商品に関する固有の情報」には、当該商品が製造された年月日と、当該商品が製造された工場と、に関する情報の少なくとも一方が含まれる。工場に関する情報には、工場の住所、電話番号、生産責任者名、製造ライン等の情報が存在する。この商品に関する情報は、例えば、商品の外箱や包装袋に印刷されているバーコードから取得することができる。

【0019】
図3には、レシート発行装置10のレシート発行部11により発行されたレシートの一例を示す。この例では、符号化コードとしてQRコード(登録商標)がレシートに印刷されている。

【0020】
(携帯情報端末の構成)
次に、携帯情報端末20の構成について説明ずる。携帯情報端末20は、撮像機能と通信機能を有する端末であり、例えばスマートフォンである。携帯情報端末20は、ハードウェアとして、CPUと、RAM、ROM等の記憶装置と、通信インターフェースと、操作ボタン・ディスプレイ等の入出力インターフェースと、カメラと、を備えている。記憶装置には、各種データおよびプログラム等のソフトウェアが記憶されている。なお、携帯情報端末20は、撮像機能とその他の機能とが分離した複数の装置で構成されていてもよい。

【0021】
携帯情報端末20の記憶装置には、データとして、例えば、図4に示すような、当該携帯情報端末20を所持するユーザが属する団体名が記憶されている。団体とは、例えば、ユーザの子供が通学する学校である。また、携帯情報端末20の記憶装置には、当該団体が所持するポイント集計装置30を通信ネットワーク40上で識別するための識別情報が記憶されている。
また、携帯情報端末20の記憶装置には、画像を撮影するためのプログラム、撮影した画像をユーザが属する団体用に設けられたポイント集計装置30に送信するためのプログラム、符号化コードを復号するためのプログラム等が記憶されている。携帯情報端末20のCPUが当該プログラムを実行することにより、図5に示す機能が携帯情報端末20に実現される。

【0022】
撮像部21は、レシート発行装置10のレシート発行部11により発行されたレシートに印刷された符号化コードを撮像する。
送信部22は、記憶装置に記憶されたユーザが属する団体の通信ネットワーク40上の識別情報を参照して、撮像部21により撮像されたレシートに印刷された符号化コードを、携帯情報端末20を所持するユーザが属する団体用に設けられたポイント集計装置30に送信する。なお、送信部22は、撮像された符号化コードを含むレシート画像全てをポイント集計装置30に送信してもよいし、当該符号化コードを復号し、当該復号した符号化コードをポイント集計装置30に送信してもよい。また、送信部22は、携帯情報端末20を所持するユーザが属する団体を識別するための情報についてもポイント集計装置30に送信するようにしてもよい。

【0023】
(ポイント集計装置の構成)
次に、ポイント集計装置30の構成について説明ずる。ポイント集計装置30は、例えばクラウドサービスで提供されるサーバ、パーソナルコンピュータ等の通信装置である。ポイント集計装置30は、団体(学校、公民館等)毎に設けられており、所定の団体用に設けられたポイント集計装置30は、当該所定の団体に属するユーザが所持する携帯情報端末20からレシートに印刷された符号化コードを受信する。ポイント集計装置30は、ハードウェアとして、CPUと、RAM、ROM、ハードディスク等の記憶装置と、通信インターフェースと、入出力インターフェースと、を備えている。記憶装置には、各種データおよびプログラム等のソフトウェアが記憶されている。

【0024】
ポイント集計装置30のハードディスクには、符号化コードを復号するためのプログラム、ポイントを集計するためのプログラム、重複チェックを行うためのプログラム等が記憶されている。ポイント集計装置30のCPUが当該プログラムを実行することにより、図6に示す機能がポイント集計装置30に実現される。
ポイント取得部31は、携帯情報端末20から受信した符号化コードに基づいて、当該符号化コードが印刷されたレシートが発行されたときに販売された商品に付与されたポイントを取得する。具体的には、ポイント取得部31は、受信した符号化コードを復号して、当該復号化された情報の中から、商品に付与されたポイントを取得する。なお、携帯情報端末20から受信した情報が、既に復号化された符号化コードである場合には、ポイント取得部31は、当該復号化された符号化コードの中から、商品に付与されたポイントを取得する。
ポイント集計部32は、ポイント取得部31により取得されたポイントを集計する。

【0025】
重複チェック部33は、同一のレシートに印刷された符号化コードを複数受信したか否かをチェックする。
重複チェック部33により同一のレシートに印刷された符号化コードを複数受信したと判定された場合には、ポイント集計部32は、複数の同一のレシートに印刷された符号化コードのうち1つの前記レシートに印刷された符号化コードに対応するポイントのみを集計対象とする。
重複チェックの際、重複チェック部33は、受信した符号化コードで表される情報内容を比較することにより、同一のレシートに印刷された符号化コードを複数受信したか否かをチェックする。当該符号化コードは、レシート印刷情報と商品に関する固有の情報とレシートが発行されたときに販売された商品のポイントとを表しているため、符号化コードで表される情報内容同士を比較することで、正確かつ容易にレシートの重複チェックを行うことができる。なお、符号化コードを復号化した情報内容を比較せずに、符号化コードのまま比較してもよい。

【0026】
(商品ポイント集計処理)
次に、図7に示すフローチャートを参照して、商品ポイント集計システム1が行う商品ポイント集計処理の手順について説明する。
ここでは、ユーザAが所持する携帯情報端末20には、図4に示す情報が記憶されているものとする。また、ここでは、レシートに印刷される符号化コードは2次元符号化コードであるものとする。
まず、ユーザAは店舗で購入しようとする1つの商品Xを、レシート発行装置10の付近に居る店員に渡す。店員は、当該商品Xの外箱に印刷されているバーコードを読み取る操作を行い、当該商品Xのバーコード情報をレシート発行装置10に入力する操作を行う。
これにより、レシート発行装置10のレシート発行部11は、レシート発行装置10の記憶装置から、販売店の名称、住所、電話番号等の販売店情報と、前記バーコード情報から取得した商品Xの商品コードに対応する商品名、販売価格と、当該商品Xに付与されるポイントと、を取得する。また、レシート発行部11は、前記バーコード情報から、商品Xが製造された年月日や商品Xが製造された工場に関する情報等の、商品Xに関する固有の情報を取得する。また、レシート発行部11は、内部時計より現在日時を取得する。そして、レシート発行部11は、商品Xの商品コード、商品Xの商品名、商品Xの販売数量、商品Xの販売価格、合計金額、店舗名、店舗住所、店舗電話番号、販売日時等のレシート印刷情報と、商品Xに付与されるポイントと、商品Xに関する固有の情報と、を2次元符号化して、2次元符号化コードを生成する。そして、レシート発行部11は、当該2次元符号化コードと前記レシート印刷情報とを所定のレイアウトに編集して印刷し、レシートを発行する(ステップS102)。

【0027】
次に、ユーザAは、携帯情報端末20を用いて当該発行されたレシートに印刷された2次元符号化コードを撮像する操作を行う。これにより、携帯情報端末20の撮像部21はレシートに印刷された2次元符号化コードを撮像する(ステップS104)。
次に、ユーザAは、前記2次元符号化コードを送信する操作を行う。これにより、携帯情報端末20の送信部22は、携帯情報端末20に予め記憶されたユーザの所属する団体(B学校)と、当該B学校が所持するポイント集計装置30の通信ネットワーク40上の識別情報と、を参照して、前記2次元符号化コードを、当該ユーザAが属するB学校が所持するポイント集計装置30に送信する(ステップS106)。

【0028】
B学校が所持するポイント集計装置30は、携帯情報端末20から前記2次元符号化コードを受信する(ステップS108)。
ポイント集計装置30のポイント取得部31は、前記2次元符号化コードを復号して、レシートに印刷された商品Xに付与されたポイントを取得する(ステップS110)。
ポイント集計装置30の重複チェック部33は、ステップS108で受信した前記2次元符号化コードを、それよりも前に受信した複数の2次元符号化コードと比較することにより、同一のレシートに印刷された2次元符号化コードを過去に受信したか否かをチェックする(ステップS112)。重複チェック部33は、同一の2前記2次元符号化コードが存在した場合には、同一のレシートに印刷された2次元符号化コードを複数受信したと判定する。
ポイント集計装置30のポイント集計部32はポイントを集計する(ステップS114)。ここで、重複チェック部33により同一のレシートに印刷された2次元符号化コードを複数受信したと判定された場合には、ポイント集計部32は、複数の同一のレシートに印刷された2次元符号化コードのうち1つのレシートに印刷された2次元符号化コードに対応するポイントのみを集計対象とする。

【0029】
以上説明したように、団体毎に複数のポイント集計装置30を設け、携帯情報端末20は、撮像されたレシートに印刷された符号化コードを、当該携帯情報端末20を所持するユーザが属する団体用に設けられたポイント集計装置30に送信し、ポイント集計装置30は、受信した符号化コードを復号して商品に付与されたポイントを取得し、当該取得されたポイントを集計するため、商品に付与されたるポイントの集計を団体単位で容易に行うことができる。ポイントがベルマークである場合には、人手により商品の包装袋からベルマーク(登録商標)を切り取って当該ベルマーク(登録商標)の点数を集計する労力をなくすことができる。

【0030】
また、ポイント集計装置30は、同一のレシートに印刷された符号化コードを複数受信したか否かをチェックし、複数受信したと判定した場合には、前記複数の同一のレシートに印刷された符号化コードのうち1つの前記レシートに印刷された符号化コードに対応するポイントのみを集計対象とするため、商品に付与されているポイントの集計を団体単位で誤りなく容易に行うことができる。
また、商品に関する固有の情報には、商品が製造された年月日と、商品が製造された工場と、に関する情報の少なくとも一方がが含まれているため、これらの商品に関する固有の情報も符号化コードで管理することができ、当該符号化コードを用いて重複チェックを正確に行うことができる。

【0031】
なお、上述した実施形態では、ポイント集計装置30は団体毎に設けられており、携帯情報端末20は、当該携帯情報端末20を所持するユーザが属する団体用に設けられているポイント集計装置30に符号化コードを送信するとして説明したが、これに限定されることはなく、ポイント集計装置30は、団体毎に設けられていない一般的な1つのサーバであってもよい。この場合には、携帯情報端末20は、上述した符号化コードとともに携帯情報端末20を所持するユーザが属する団体を識別するための情報をポイント集計装置30に送信し、ポイント集計装置30は携帯情報端末20から受信した団体を識別するための情報に基づいて、ユーザが属する団体毎にポイントを集計することとなる。