半田隆均取得の特許の事業化推進①(QRコード決済&振込装置)

請求項 1
336文字
商品の取引に伴って発行される帳票に基づいて前記取引に関わる情報を管理する取引管理システムであって、
商品情報を取得する商品情報取得手段と、
前記商品情報以外の、前記帳票に印刷すべき事項を表す帳票印刷情報を取得する印刷情報取得手段と、
前記商品情報と、前記帳票印刷情報と、を2次元符号化した2次元帳票コードを作成する帳票コード作成手段と、前記2次元帳票コードと、前記商品情報と、前記帳票印刷情報と、を印刷する帳票印刷手段とを備え、
前記帳票は請求書を含み、
前記帳票が請求書である場合に、前記帳票印刷情報には請求金額が含まれ、
前記請求金額の支払の処理時に、前記2次元帳票コードを前記請求書の発行元が所持する端末に送信する支払情報送信手段をさらに備えたことを特徴とする取引管理システム。

請求項 2 (従属項 1)
106文字
前記支払情報送信手段は、前記2次元帳票コードの代わりに、前記支払の対象となる商品情報を2次元符号化した2次元商品コードを前記請求書の発行元が所持する端末に送信することを特徴とする請求項1に記載の取引管理システム。
請求項 3

 

231文字
商品の取引に伴って発行された請求書であって、前記商品の商品情報と、前記商品情報以外の、前記請求書に印刷すべき事項を示す請求書印刷情報と、前記商品情報と前記請求書印刷情報とを2次元符号化した2次元請求書コードと、が印刷された前記請求書により請求される請求金額の支払の処理を行う振込装置であって、
前記請求金額の支払の処理時に、前記請求書から取得された前記2次元請求書コードを前記請求書の発行元が所持する端末に送信する支払情報送信手段を備えたことを特徴とする振込装置。
請求項 4 (従属項 1)

 

159文字
前記支払の対象となる商品情報を2次元符号化した2次元商品コードを作成する支払対象商品コード作成手段をさらに備え、
前記支払情報送信手段は、前記2次元請求書コードの代わりに、前記支払対象商品コード作成手段により作成された2次元商品コードを前記請求書の発行元が所持する端末に送信することを特徴とする請求項3に記載の振込装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、企業間や企業対個人間での取引に伴う帳票発行および請求入金を管理する取引管理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、企業や小売店が、企業や個人等の顧客に各種商品(自社製品、小売商品、サービス等を含む)を販売する際には当該商品の販売価格を見積もった見積書を発行したり、商品の発注に関しては契約書や注文書を作成し、当該書類に捺印する、また、顧客に対して商品を納品した際には納品書と請求書を発行したり、商品の納品時には顧客から検品確認のための書類(検収書、未納品書、欠品書、不適格商品を記載した書類等)の発行を受け、納品確認のための受領書を発行し、顧客の支払行為により商品の代金を受領した際には領収書を発行したりする。 また、従業員が社内で使用する文房具や備品等の物品を購入する際には、物品購入伝票を起票して社内の購買担当者に回付し、購買担当者は当該物品購入伝票に記載された物品を業者に発注し、業者は物品を企業に納入するとともに納品書と請求書を発行したりする。
【0003】
しかしながら、請求先から請求元へ銀行振込等により商品の購入代金が振り込まれた場合、請求元では振込人の氏名と振込金額しか知ることができない。したがって、請求先から、振込手数料を差し引いた金額が振り込まれた場合や、複数の請求書の請求額が合算されて振り込まれた場合や、1枚の請求書に記載された請求金額のうち一部の商品の代金のみが振り込まれた場合には、請求元では請求と入金の照合がかなり困難になるという問題があった。
【0004】
また、商品の取引に伴って、見積書、契約書、注文書、納品書、受領書、検収書、請求書、領収書、物品購入伝票等の各種帳票がやり取りされる過程で、商品の販売側、購入側とも、商品番号、数量、金額等の商品情報をパーソナルコンピュータ等の情報処理装置に手入力して管理する必要があり、手間がかかっていた。また、各商品の取引に伴って発行される各種帳票から商品取引の履歴を管理することは容易でないため、商品の取引状態や請求入金に関する問い合わせに容易に対応できないという問題があった。
【0005】
請求書の内容を手入力する手間を省くためのシステムとして、特許文献1には、請求内容を含むコード情報を請求内容とともに請求書に印刷することが記載されている。これにより、請求先の企業の債務照合や支払手続を行う担当者は、請求書のコード情報を読み取る処理を行うだけで、請求内容を情報処理端末に取り込むことができ、手入力の手間を省くことができる。

【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献 1】特開2006−281701号公報

【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献1に記載のシステムを用いたとしても、請求元において請求と入金の照合に手間取るという問題点は解決されない。また、特許文献1では、請求書毎に請求内容を管理できるが、請求書に記載された商品毎の取引の履歴の管理が容易ではない。
【0008】
本発明は、上述した問題点を解決するためになされたものであり、商品の取引に伴う請求入金の事務において、請求と入金の照合を容易にすることを可能とする取引管理システム及び振込装置を提供することを目的とする。 また、本発明は、商品の取引に伴って作成された帳票に基づいて、当該取引に関する履歴を商品毎に容易に管理することを可能とする取引管理システム及び振込装置を提供することを目的とする。

【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的の少なくとも1つを達成するために、本発明に係る取引管理システムは、商品の取引に伴って発行される帳票に基づいて前記取引に関わる情報を管理する取引管理システムであって、商品情報を取得する商品情報取得手段と、前記商品情報以外の、前記帳票に印刷すべき事項を表す帳票印刷情報を取得する印刷情報取得手段と、前記商品情報と前記印刷情報とを2次元符号化した2次元帳票コードを作成する帳票コード作成手段と、前記商品情報を2次元符号化した2次元商品コードと前記2次元帳票コードとの少なくとも一方と、前記商品情報と、前記帳票印刷情報と、を印刷する帳票印刷手段とを備えたことを特徴とする。 本発明によれば、2次元商品コードと前記2次元帳票コードとの少なくとも一方と、前記商品情報と、前記帳票印刷情報と、を印刷することで、商品情報を手入力しなくても当該帳票に印刷された2次元商品コード又は2次元帳票コードから容易に取得することができるため、商品の取引に伴って作成された帳票に基づいて、当該取引に関する履歴を商品毎に容易に管理することができる。
【0010】
上記発明において、前記商品情報を2次元符号化した2次元商品コードを取得する商品コード取得手段をさらに備え、前記商品情報取得手段は、前記商品コード取得手段により取得された前記2次元商品コードを復号して前記商品情報を取得することを特徴とする。 本発明によれば、2次元商品コードを読取機で読み取って取得したり、表示画面に表示された2次元商品コードをコピーして取得することで、商品情報を誤りなく容易に取得することができ、当該商品情報に基づいて見積書、請求書等の帳票を容易に作成することができる。また、帳票に2次元商品コードを印刷することにより、当該2次元商品コードで表される商品の取引に関する時系列的な事務処理の履歴を商品毎に容易に管理することができる。
【0011】
上記発明において、前記帳票は請求書であり、前記帳票印刷情報には請求金額が含まれ、前記請求金額の支払処理時に、前記帳票コードを前記請求書の発行元が所持する端末に送信する支払情報送信手段を備えたことを特徴とする。 本発明によれば、前記請求金額の支払処理時に前記帳票コードを前記請求書の発行元が所持する端末に送信することで、請求元はどの請求書に対する入金かを容易に把握することができ、請求と入金の照合を容易に行うことができる。
【0012】
上記発明において、前記支払情報送信手段は、前記帳票コードの代わりに、前記支払の対象となる商品情報を2次元符号化した2次元商品コードを前記請求書の発行元が所持する端末に送信することを特徴とする。 本発明によれば、支払の対象となる商品情報を2次元符号化した2次元商品コードを前記請求書の発行元が所持する端末に送信することによって、請求書の発行元はどの商品に対して代金が振り込まれたのかを容易に把握することができる。また、当該商品の取引に伴って作成された帳票に基づいて、当該取引に関する時系列的な事務処理の履歴を容易に管理することができる。

【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の実施形態に係る取引管理システムの全体構成図である。
【図2】同実施形態に係る取引管理システムを構成する取引管理装置の機能構成を示すブロック図である。
【図3】「帳票」が見積書の場合のレイアウトの例を示す図である。
【図4】同実施形態に係る取引管理システムを構成する振込装置の機能構成を示すブロック図である。
【図5】同実施形態に係る取引管理システムが行う見積書作成処理の手順を示すフローチャートである。
【図6】同実施形態に係る取引管理システムが行う請求書作成処理の手順を示すフローチャートである。
【図7】同実施形態に係る取引管理システムが行う振込処理の手順を示すフローチャートである。

【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、添付図面を参照して、本発明の実施形態について詳細に説明する。
図1は、本発明の実施形態に係る取引管理システムの全体構成図である。同図に示すように、取引管理システムは、取引管理装置10と、振込装置40と、銀行サーバ50と、を含んで構成されており、これらの装置はインターネットや無線LAN等の通信ネットワーク60で接続されている。取引管理装置10には、QRコード(登録商標)読取装置20と印刷装置30とが、有線又は無線で電気的に接続されている。また、振込装置40には、QRコード読取装置20が有線又は無線で電気的に接続されている。取引管理装置10及び振込装置40は企業、団体、個人等が管理又は使用する装置であるが、本実施形態では、取引管理装置10は企業Aが管理する装置であり、振込装置40は企業Aと取引のある企業Bが管理する装置であるものとする。

【0015】
QRコード読取装置20は、例えば2次元バーコードリーダであり、カタログ、見積書、契約書、注文書、納品書、受領書、検収書、請求書、領収書、物品購入伝票等に印刷されたQRコードや、パーソナルコンピュータ等の情報処理装置の画面に表示されたQRコードを読み取る。
印刷装置30は、紙等の印刷媒体に文字や図形を印刷可能な、一般的なプリンターである。

【0016】
(取引管理装置の構成)
取引管理装置10は、例えばパーソナルコンピュータ等の情報処理装置であり、商品取引に伴う情報を管理したり、各種帳票を作成して印刷する。ここで、各種帳票としては、例えば、見積書、契約書、注文書、納品書、受領書、検収書、請求書、領収書、物品購入伝票等が存在する。
取引管理装置10は、ハードウェアとして、CPUと、RAM、ROM、ハードディスク等の記憶装置と、通信インターフェースと、キーボード等の入出力インターフェースと、ディスプレイと、を備えている。記憶装置には、各種データおよびプログラム等のソフトウェアが記憶されている。

【0017】
例えば、ハードディスクには、QRコードをテキストデータに復号するためのプログラム、テキストデータからQRコードを生成するためのプログラム、各種帳票を印刷するためのプログラムが記憶されている。また、ハードディスクには、商品情報以外の印刷すべき情報を入力する印刷情報入力画面を表示するための画面表示用データ、発行した帳票の内容を表すデータ等が記憶されている。
取引管理装置10のCPUがハードディスク等の記憶装置に記憶されているプログラムを読み出し、当該プログラムに従って処理を実行することにより、図2に示す機能が取引管理装置10に実現される。

【0018】
商品コード取得部101は、商品QRコード(「2次元商品コード」に対応)を取得する。ここで、商品QRコードとは、商品情報が2次元符号化されたコードである。また、商品情報としては、商品を識別するための各種情報であり、例えば、商品番号(商品が機械の場合には機械番号とシリアル番号)、商品名、製造国、製造者、販売者等が存在する。

【0019】
なお、本実施形態では、2次元符号化されたコードをQRコードとして説明するが、QRコードに限らず、スタックドバーコード方式等、他の規格の2次元コードであってもよい。
また、QRコードを取得する方法は、QRコード読取装置20が読み取って出力したものを取得してもよいし、取引管理装置10のハードディスクに予め登録しておいたものを取得してもよいし、帳票やディスプレイに表示されたQRコードを撮像することにより取得してもよいし、ディスプレイに表示されたQRコードがコピー操作されたものを取得してもよい。

【0020】
商品情報取得部102は、商品コード取得部101により取得された商品QRコードを復号することにより、商品情報を取得する。なお、商品情報の取得方法はこれに限らず、例えば、手入力又は帳票のOCR入力により取引管理装置10のハードディスクに記憶されている商品情報を取得することもできるし、帳票の内容を表すQRコード(「2次元帳票コード」に対応、以下「帳票QRコード」という)を解析することにより商品情報を取得することもできる。

【0021】
印刷情報取得部103は、商品情報取得部102で取得された商品情報以外の、帳票に印刷すべき事項を表す帳票印刷情報を取得する。なお、「帳票印刷情報」としては、例えば、管理番号、宛先、金額、日付、発行元の担当者名等を表す情報が存在する。
また、帳票印刷情報を取得する方法としては、事務担当者が取引管理装置10のディスプレイに印刷情報入力画面を表示し、キーボード等の入力インターフェースを操作して画面から各種情報を入力した場合に、印刷情報取得部103は当該入力された情報を帳票印刷情報として取得することできる。なお、宛先、発行元等は予めデータベースに登録しておき、印刷情報入力画面に自動的に表示することもできる。また、企業Aが通信ネットワーク60を介して商品の注文を受け付けるシステムを有している場合には、注文時に入力された顧客情報、数量等の情報を帳票印刷情報の一部として取得することができる。

【0022】
帳票コード作成部104は、商品情報と、帳票印刷情報と、を2次元符号化して、帳票QRコードを作成する。
帳票印刷部105は、商品QRコードと、帳票QRコードと、商品情報と、帳票印刷情報と、を所定の位置に配置した印刷データを作成し、当該印刷データを印刷装置30に送信して、印刷装置30で帳票を印刷する。図3には、「帳票」が見積書の場合のレイアウトの例を示す。同図に示す例では、「商品」がイヤホンであり、見積の商品数量が2つの場合を示している。

【0023】
このように帳票に商品QRコードを印刷することで、商品単位で見積書、請求書等の帳票を管理することができ、帳票発行に関わる事務処理の経緯を確認したり入金照合をすることが容易になる。
また、帳票QRコードを帳票に印刷することで、請求元及び請求先の担当者は、QRコード読取装置20で当該帳票QRコードを読み取る処理を行うだけで、手入力をしなくても、帳票に印刷された内容を容易にパーソナルコンピュータ等の情報処理装置に取り込んで管理することができ、また、入力内容の誤りなどをチェックする必要がなくなる。
なお、本実施形態では、商品QRコード及び帳票QRコードの両方を印刷しているが、どちらも商品情報を含んでいるので、何れか一方のみを印刷してもよい。

【0024】
(振込装置の構成)
次に、振込装置40の構成について説明ずる。振込装置40は、取引管理装置10と同様に、パーソナルコンピュータ等の情報処理装置で構成される。
振込装置40のハードディスクには、例えば、企業Bの事務担当者の帳票読込作業により、企業Aから送付された請求書に記載された、請求内容、商品QRコード、請求書の内容を示すQRコード(「2次元帳票コード」に対応、以下「請求書QRコード」という)等が記憶されている。当該請求内容は、読み込まれた請求書に記載された請求書QRコードを振込装置40で復号することで、手入力せずに容易に得ることができる。
また、振込装置40のハードディスクには、銀行サーバ50に接続して振込処理を行う際に、請求書QRコード又は支払対象の商品のQRコードを振込先の端末に送信するためのプログラムが記憶されている。振込装置40のCPUが当該プログラムを実行することにより、図4に示すQRコード作成部401と支払情報送信部402が振込装置40に実現される。

【0025】
QRコード作成部401は、QRコード読取装置20から入力された帳票に記載された情報や振込装置40の入力インターフェースから手入力された情報からQRコードを作成する。
支払情報送信部402は、請求金額の支払処理時に、請求書QRコードを請求書の発行元が管理する取引管理装置10に送信する。
なお、1つの請求書に記載された一部の商品の代金のみ支払う場合には、QRコード作成部401によって商品番号及び支払の対象となる商品の数量を示すQRコードを再作成し、支払情報送信部402によって当該再作成した商品QRコードを取引管理装置10に送信することができる。この場合には、振込前に振込装置40に支払単位を請求書毎にするか商品毎にするかを選択する画面を表示するようにするとよい。

【0026】
QRコードの送信方法としては、銀行サーバ50が提供する銀行システムと連携して、振込処理が行われた時に自動的にQRコードを送信するようにしてもよいし、別途手動でメールシステム等を用いてQRコードを送信するようにしてもよい。これにより、請求元は、何に対する振込金額かを容易に把握することができるため、請求と入金の照合が容易になる。

【0027】
(見積書作成処理)
次に、図5に示すフローチャートを参照して、取引管理システムが行う見積書作成処理の手順について説明する。ここでは、「帳票」が見積書の場合であって、企業Aが企業Bに納品予定の商品の見積書を作成する例について説明する。
まず、企業Aの担当者は、QRコード読取装置20を操作して、例えば、自社商品のカタログから、企業Bに納品する予定の商品に関する情報を示す商品QRコードを読み取る。
これにより、QRコード読取装置20は商品QRコードを読み取り、当該読み取った商品QRコードを取引管理装置10に出力する。取引管理装置10の商品コード取得部101は、QRコード読取装置20から出力された商品QRコードを取得する(ステップS11)。商品情報取得部102は、当該商品QRコードを復号して、商品情報を取得する(ステップS12)。

【0028】
次に、担当者は、取引管理装置10が備えるキーボード等の入力インターフェースを操作して、商品情報以外の、見積書に印刷すべき宛先、商品の数量、見積額等の見積書印刷情報(「帳票印刷情報」に対応)を入力する。これにより、印刷情報取得部103は、入力インターフェースから入力された見積書印刷情報を取得する(ステップS13)。なお、顧客データベースが取引管理装置10に予め記憶されている場合には、印刷情報取得部103は当該データベースから宛先の顧客名等を取得することもできる。

【0029】
次に、帳票コード作成部104は、商品情報と、見積書印刷情報と、を2次元符号化して、見積書の内容を示す見積書QRコード(「2次元帳票コード」に対応)を作成する(ステップS14)。
次に、帳票印刷部105は、商品QRコードと、見積書QRコードと、商品情報と、見積書印刷情報と、を見積書のレイアウトに編集して印刷データを作成し、当該印刷データを印刷装置30に送信する。印刷装置30は紙等の印刷媒体に図3に示すような見積書を印刷する(ステップS15)。以上で、見積書作成処理が終了する。
この後、企業Aの担当者は、印刷した見積書を商品の購入を希望している企業Bに配送する。

【0030】
(請求書作成処理)
次に、図6に示すフローチャートを参照して、取引管理システムが行う請求書作成処理の手順について説明する。ここでは、「帳票」が請求書の場合であって、企業Aが企業Bに納品した商品の請求書を作成する例について説明する。
まず、企業Aの請求書作成の担当者は、QRコード読取装置20を操作して、ステップS15で作成された見積書から、見積書QRコード、又は、商品QRコードを読み取る操作を行う。
これにより、QRコード読取装置20は当該QRコードを読み取り、当該読み取ったQRコードを取引管理装置10に出力する。取引管理装置10の商品コード取得部101は、QRコード読取装置20から出力されたQRコードを取得する。商品情報取得部102は、当該QRコードを復号して商品情報を取得する(ステップS21)。なお、商品情報は、見積書を作成した際に取引管理装置10に入力されハードディスクに記憶された場合には、当該ハードディスクから読み出すことにより取得することもできる。

【0031】
次に、担当者は、取引管理装置10が備えるキーボード等の入力インターフェースを操作して、商品情報以外の、請求書に印刷すべき宛先、納品した商品の数量、請求額、支払条件等の請求書印刷情報(「帳票印刷情報」に対応)を入力する。これにより、印刷情報取得部103は、入力インターフェースから入力された請求書印刷情報を取得する(ステップS22)。

【0032】
次に、帳票コード作成部104は、商品情報と、請求書印刷情報と、を2次元符号化して、請求書QRコードを作成する(ステップS23)。

【0033】
次に、帳票印刷部105は、商品QRコードと、請求書QRコードと、商品情報と、請求書印刷情報と、を請求書のレイアウトに編集して印刷データを作成し、当該印刷データを印刷装置30に送信する。印刷装置30は紙等の印刷媒体に請求書を印刷する(ステップS24)。以上で、請求書作成処理が終了する。この後、担当者は、印刷した請求書を、商品を購入した企業Bに配送する。

【0034】
(振込処理)
次に、図7に示すフローチャートを参照して、取引管理システムが行う振込処理の手順について説明する。ここでは、請求元である企業Aから請求書を受信した請求先の企業Bが、1枚の請求書に記載された複数の商品のうち一部の商品の代金の振込を行う例について説明する。
企業Bの担当者は、請求書に印刷された商品QRコードをQRコード読取装置20で読み取る操作を行う。さらに、支払対象の商品の数量を振込装置40に入力する操作を行う。これにより、QRコード作成部401は、商品番号及び入力された数量を示す商品QRコードを再生成する(ステップS31)。

【0035】
次に、担当者は、振込装置40を銀行サーバ50と接続する操作を行い、振込対象商品の代金の振込処理の操作を行う。これにより、振込装置40は、銀行サーバ50に振込元と振込先と振込金額を示す情報を送信し、銀行サーバ50は振込処理を行う(ステップS32)。
このときに、支払情報送信部402は、ステップS31で再生成した商品QRコードを取引管理装置10に送信する(ステップS33)。

【0036】
これにより、取引管理装置10を設置している企業Aの担当者は、企業Bからの振込金額が、振込装置40から通知された商品QRコードで表される商品と数量に対する振込であることを容易に把握することができ、請求と入金の照合にかかる手間を大幅に削減することができる。

【0037】
以上説明したように、2次元商品コードと2次元帳票コードと少なくとも一方と、商品情報と、帳票印刷情報と、を印刷することで、当該帳票から容易に商品情報を取得することができ、商品の取引に関する履歴を商品毎に容易に管理することができる。
また、2次元商品コードをQR読取装置20で取得したり表示画面からコピーして取得することで、商品情報を誤りなく取得することができ、当該商品情報に関する見積書、請求書等の帳票を容易に作成することができる。
また、請求金額の支払処理時に、2次元帳票コードを取引管理装置10に送信することで、請求元の企業Aはどの請求書に対する入金かを容易に把握することができ、請求と入金の照合を容易に行うことができる。
また、支払の対象となる商品の2次元商品コードを取引管理装置10に送信することによって、請求書の発行元はどの商品に対して代金が振り込まれたのかを容易に把握することができる。

【0038】
なお、上述した実施形態では、帳票作成の例として、見積書及び請求書を作成する例について説明したが、見積書、契約書、注文書、納品書、受領書、検収書、請求書、領収書、物品購入伝票等の各種帳票の作成についても同様に行うことができる。

【0039】
また、上述した実施形態では、企業間における商品取引に関わる情報を管理する場合について説明したが、本発明は、企業間に限らず、企業と個人、団体間の商品取引にも適用できる。個人が企業や団体から発行された請求書や振込用紙に基づいて商品の代金を振り込む場合には、振込装置40は、銀行に設置されたATM端末であってもよいし、コンビニエンスストアに設置されたPOS端末であってもよい。この場合には、個人が振込装置40に接続されたQRコード読取装置20で請求書や振込用紙に印刷された2次元商品コード又は2次元帳票コードを読み取る操作を行うことで、手入力することなく、容易かつ正確に振込を行うことができる。
また、本発明は給与振込に適用することもできる。この場合には、従業員の労働に対する対価を商品とみなすことができる。

【符号の説明】
【0040】
10···取引管理装置
101···商品コード取得部
102···商品情報取得部
103···印刷情報取得部
104···帳票コード作成部
20···QRコード読取装置
30···印刷装置
40···振込装置
401···QRコード作成部
402···支払情報送信部
50···銀行サーバ
60···通信ネットワーク
【図1】